病院から逃げ出す看護師たちとスウェーデンの医療サービスに思う事

病院から逃げ出す看護師たち
病院で働く500名もの看護師たちは、
地域の労働協約との交渉が難航。
より長い労働時間と賃金カットが行われる見込みとなり、
すでに30名の看護師が退職したが、
医療従事者によると、これはほんの始まりに過ぎないとのこと。

医療カウンセリングのミスで娘が死亡
免疫不全の娘がいるお母さんが、娘の発熱と身体への水疱を確認し、
4日間の間に3回、医療機関の情報サービスへ電話した。
3回目の会話で娘は大学病院の緊急治療室での診察を受ける事となったが、
それはすでに手遅れで、娘は死亡した。

スウェーデンの医療サービスは、初診料(上限は年間1.5~2万円程度)
と薬代は自腹だけれど、その他は無料か格安なので素晴らしい、
と言う人もいます。
私は、無料=素晴らしい、ではないと思います。
また、スウェーデンは夏に4週間続きの休暇が可能だから
素晴らしい、人間らしい生活だ、と言う人もいます。
その期間、医療現場では看護師がいっせいに数週間の休暇を取り、
人手が足りなくなるので、わずかに残っている看護師の業務が増え、
その苛酷さに疲れ、退職する人が出る状況は素晴らしくありません。
患者さんもかわいそうです。
個人で直接病院の診察予約を取れないシステムのため、
まずは電話での医療相談をし、その後診察が必要とみなされた場合は
診察の予約を取ってもらえる事になります。
しかし電話の会話だけでは容体の深刻さが理解してもらえず、
誤診があったり、診察の予約をなかなか取ってもらえなかったりで、
ようやく医師の診察を受けられたとしても時すでに遅しで
死亡してしまう人がいるというのも問題です。
病院の数も少ないと思います。
患者の金銭的負担が少ないため、
大勢の患者が来ると予算も人手も足りずパンクするので、
なかなか診察を受けられないようなシステムを作った結果です。
医師を始め病院スタッフは無給ではありません。
医薬品、備品代、施設維持費もかかります。予算も限られています。
税金払っているんだからあれもこれもタダか格安がイイ!
なるべくお金を払いたくない!
という人々の欲求を満たすにはこうするしかないのでしょう。

こちらの外国人たちは口をそろえて、
「お金払うから自由に診察を受けられるシステムにして欲しい。」
「スウェーデンのこのシステムは不便だし馬鹿げている。」
「スウェーデンの医療のレベルはウチの国より劣っている。」
と言っています。
大学レベル、研究レベルでは悪くはないのだと思いますが、
現場の状況が酷いということでしょう。
いくら高い知識を持つ医師がいても、現場でのやる気が低かったり、
病院が利用しづらいシステムであれば、
提供される医療サービスはお粗末なものとなります。
私も病院でお世話になった事がありますが、
ここではインフォームドコンセプトの概念は無いのかな?
と思うくらいに説明がほとんどなく、
レントゲンを撮っても見せようともせず、
一緒に治療する、一緒に情報を共有する、という感じは無く、
どちらかというと「モノ扱い」されている冷たい感じがしました。

こうした状況は、よくありがちな美化した表現に変換すると、
「患者への説明を省くことにより時間と労力の大きな節約となり、
医師への負担が減るため集中力が高まり、
より効率的な治療が行われ、高レベルの医療が提供されている。」
などとなりそうです。
ものはいいようですから。
患者の立場からすると、問題や治療の説明をちゃんとしてくれて、
ついでに少々雑談も出来るような、患者と対等に接し、
コミュニケーションを取ってくれる医師が望ましいのですが。
例えば注射の前に「ちょっとチクッとしますね~。」などと
声をかけてもらえるだけで患者の安心度は全然違いますよね。
機械的な対応をされると、だたでさえ元気がないのに、
ますます元気が無くなりへこんでしまいます。

日本ではまだまだ「北欧美化物語」が流行っているみたいで、
それがスウェーデンに対して大きな誤解を生みだしています。
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Author:Bra
スウェーデン在住のBraです。海外在住ブロガーやフリーライター、その他メディアがあえて伝えない、書きたがらないスウェーデンの一面を主に取り上げています。

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